今夜、FRBがいちばん重く見ている物価指標、PCE(個人消費支出物価指数)が出て、予想より低く出たことで市場がざわついているよ。
株も暗号資産も一緒に上がっているみたいだけど、はっきりした原因は、もう少し時間が経たないと分からないだろうね。
でも数字そのものは確認できたから、この数字がFRBの次の利上げ判断にどんな意味を持つのか、歴史の事例と一緒に整理してみるよ。
✦ 今夜の数字、予想とどれだけ違った?
米8月PCE、前年比の上昇率
まず数字から見るね。米商務省が9月30日に発表した8月のPCEは、前年比で3.4%上昇した。市場予想は3.7%だったんだ。
食品とエネルギーを除いたコアPCEは3.0%で、予想の3.3%より低かった。発表直後にはドル指数も0.3%下がって、101台まで押された。
ただ、安心するにはまだ早い。この数字もFRBが目標にしている物価上昇率2%とは、まだかなり離れているからね。
アメリカのメディアも「予想より低いけれど、まだ目標を大きく上回っている」というトーンで伝えた。
✦ FRBの現在地
9月16日の決定を基準に
じゃあ、FRBは今どこに立っているのかな。9月16日、FRBは全会一致(12対0)で政策金利を0.25ポイント引き上げて、3.75〜4.00%にした。
2023年以来となる利上げだよ。ケビン・ウォーシュ議長は、物価が高すぎて、その状態があまりに長く続いていると話した。
委員たちの見通しもタカ派的だった。18人中16人が、年内にもう一度利上げすると見ていて、年末の政策金利の中央値は4.1%だったんだ。
ただ、利上げが確定したわけじゃない。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、9月に利上げしたのだから急ぐ必要はなく、情報を集める時間があると話した。
一方、バー理事は、物価を目標に戻すには追加の調整が必要になる可能性が高いと話した。同じFRBの中でも温度差があるってことだね。
だから、10月の利上げ確率は大きく揺れた。シカゴ商品取引所(CME)のフェドウォッチでは、一週間のうちに70%台から50%前後まで上下したんだ。
発表の直前には70%を超える水準だったという報道もある。今日のPCEのあと、この数字がどこへ向かうかは、まだ確認できていない。次の会合は10月27〜28日だよ。
✦ 物価の数字が株とビットコインを動かす道筋
物価が低く出たとき、よくある順番
なぜ物価の数字一つで、株と暗号資産が一緒に動くのかも押さえておくね。金利が上がると、企業が将来稼ぐお金の現在価値が割り引かれて、株、特に成長株が揺れるんだ。
ビットコインは利息を生む資産じゃないから、安全な預金や債券の金利が高くなるほど魅力が落ちる、と見る向きが多い。
物価が低く出て利上げへの期待が弱まると、株もビットコインも価格が一緒に上がることが多い。最近ビットコインが8万3,000ドル前後の狭い範囲に閉じ込められていたのも、長期金利が高かったからだという分析が出ていた。
✦ 利上げの歴史、四つの場面
時間順に要点だけ先に
ここで歴史を振り返ってみよう。物価と金利の話には、いつも同じ教訓がついてくるからね。
いちばん近い記憶は2022年だ。FRBはその年の3月から2023年7月まで11回利上げして、政策金利を5.25〜5.50%まで引き上げた。
一度に0.75ポイントずつ、4回連続で上げる異例の動きもあった。そのあと利上げを止めて、今年の9月にようやく再開したんだ。
3年以上押さなかった利上げのボタンをまた押したんだから、市場が物価の数字一つにここまで敏感なのも分かる気がする。
1970年代のアメリカは、物価が少し落ち着くと金利を下げて、また上がると上げる、ということを繰り返した。そのせいでインフレが何度もぶり返して、1980年には物価上昇率が14%台まで跳ね上がった。
結局、ポール・ボルカー議長がフェデラルファンド金利を20%前後まで引き上げて、ようやく物価を抑え込んだ。
物価が少し落ち着いたからと、急いで引き締めをやめて大きな代償を払った経験が、FRBの中に深く残っているんだ。
1994年は反対側の教訓だよ。その年にFRBは、1年あまりのうちに金利を3%から6%へ2倍に引き上げた。債券市場が大きな衝撃を受けて、12月にはアメリカのオレンジ郡が破産を宣言した。
市場が予想していなかった速さで上げると、どこかが壊れる。そのことを示した出来事だね。
✦ 2004〜2006年と今、何が違う?
短期金利と長期金利が動いた方向
2004年から2006年までは、FRBが17回連続で0.25ポイントずつ利上げして、金利を1%から5.25%まで引き上げた。でも、おかしなことが起きたんだ。
短期金利を上げたのに、長期金利はむしろ上がりにくかった。当時のアラン・グリーンスパン議長は、これを謎と呼んだ。
今は正反対だよ。30年物の国債金利が5.6%前後まで上がって、20年あまりぶりの高い水準になった。10年物も、2007年以来の高さとなる5.3%近くまで行った。
FRBが利上げするのとは別に、市場が自分で長期のリスクをより高く値付けしている、ということだね。
✦ 相場の達人たちは金利と物価をどう見たか
これから紹介する三人の話
投資家の間で昔から伝わる格言もある。「FRBと戦うな」という言葉だ。1980年代にマーティン・ツバイクが広めた表現として知られているよ。
伝説的な投資家のスタンレー・ドラッケンミラーも、株価を動かすのは企業業績よりFRBだという趣旨のことを言ってきたことで有名だ。
金利の方向が変わると、いい企業も揺らぐという話だね。
ウォーレン・バフェットの助言は、少し違う角度だよ。バフェットは2010年、米金融危機調査委員会の公聴会に証人として出て、こう話した。
「企業を評価するときに最も重要な決定は価格決定力だ」
原価が上がっても製品の値段を上げられる会社が、インフレの時代に耐えるという意味だね。物価と金利が揺れるほど、この見方がまた注目される理由だよ。
ここに、今年ならではの変数もある。バー理事は、AI投資ブームが半導体の価格を押し上げていると指摘した。
20か月のあいだ、コアPCEが目標に合った月は2回だけだという点にも触れた。物価が下りてくる道は思ったより険しい、という話だね。
✦ これから確認する日程二つ
日本時間で整理した
これから確認したい日程も整理しておくね。10月2日の金曜日、午後9時30分(日本時間)に9月の雇用統計が出る。市場予想は、雇用者数が約9万人増、失業率4.1%だよ。
この市場は、いい指標がかえって悪材料になることもある。8月の雇用が予想より強く出たときは、利上げ期待が高まって、株とビットコインが押されたんだ。
だから数字が強く出ると、今日の物価への安心感はすぐ消えるかもしれない。
まとめるとこうだよ。今日のPCEは、FRBが急いで利上げする理由を少し減らしてくれた。ただ、当面利上げがないと決めつけるのは早い。
コアPCE物価は今も目標の1.5倍の水準で、FRBの中でも意見が割れていて、長期金利は自分で上がっている。
10月の決定は、雇用統計と次の物価データまで見ないと輪郭がつかめないだろうね。
これは投資助言じゃないよ。わかってるよね?大切なお金は自分で守ろう。
今回はここまでにするよ。また会おう。
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