80 BTCが10日で消えた
✦ 事件をひと目で
80 BTCの被害事例
あるビットコイン保有者が、ハードウェアウォレットのLedgerにビットコイン80BTCを移したところ、まもなく全部消えたという報道が出た。
このウォレットは、Ledgerから直接買ったのではなく、東南アジアのリセラーのCryptoBilisで買ったものだ。
オンチェーン分析会社のBitqueryによると、80 BTCは9月29日に新しいウォレットに入って、10月9日に一度に流れ出た。
オンチェーン分析アカウントのLookonchainによると、被害者は約4か月前に、ビットコイン80BTCを1BTCあたり約6万5000ドル、合計約520万ドルで買った。
CoinGeckoの協定世界時(UTC)基準で10月9日の終値8万2564ドルで計算すると、80 BTCは約660万ドルだ。1ドル1340ウォン台で計算すると、約89億ウォンになる。
この事件は、一人の被害では終わらなかった。オンチェーン分析家たちは、同じリセラーで買ったウォレットを中心に数百個のウォレットが盗まれ、総被害額は9000万ドル前後だと推計している。
Ledgerはどう対応したのか
✦ 事件の経過
時系列
Ledgerは10月9日、公式サポートのXアカウントで調査に入ったと明らかにした。東南アジアのユーザーのうち、CryptoBilisで買った人たちの資金損失の申告を調べていて、リセラーに販売と配送を止めてほしいと要請したという内容だ。
直近90日以内にこのリセラーで買ったユーザーは、まだセットアップを始めないで、すでにセットアップしたなら、新しいシードでつくった新しいLedgerウォレットに資産を移すことを検討するよう勧告した。
続いてLedgerは、影響を受けたユーザーの機器の一台で、承認されていないハードウェアインプラントを確認したと明らかにした。Ledgerは、機器のモデルとインプラントの動作の仕組み、改ざんされた機器の数は公開しなかった。
Ledgerは、自社のインフラとシステム、サービスは侵害されておらず、Ledgerから直接買った機器の被害報告はないと、Cointelegraphに話した。
CryptoBilisは、Ledgerの公式リセラーの一覧に、インドネシア、マレーシア、フィリピンの販売店として載っていた業者だ。事件が知られたあと、この業者は取り扱うすべてのハードウェアウォレットブランドの販売と配送を止めた。
被害額はいくらか
被害の規模は、Ledgerが確認した数字ではなく、オンチェーン分析家たちの推計だ。
✦ 被害の推計の比較
オンチェーン分析家たちの推計、Ledgerの確認ではない
Bitqueryの最新の集計は約9320万ドルで、315個のウォレットが6つのチェーンにまたがっている。Specterは8600万ドル以上を、MistTrackは9000万ドルに近い金額を言った。
いちばん低い推計は、tanuki42の7200万ドル以上だ。
個別の事例もある。あるウォレットは9月15日に初めて資金が入って、10月9日に700万1千USDTが流れ出た。Tether(テザー)が、盗まれた資金に関するUSDT約1000万ドルを、20個のウォレットで凍結したという報道もあった。
泥棒が手にしたお金の一部は、ミキサーサービスのTornado Cashを経て、Zcashに移ったというのがBitqueryの分析だ。
Bitqueryの初期の集計では、イーサリアム1254 ETHがTornado Cashに入って、384 ETHと210万USDCが入った新しいウォレット3つにつながったという。
Bitqueryは、これを金額と時間を合わせてつないだものなので強い証拠だが、確定ではないと明らかにした。
どうやって盗まれたのか
Ledgerが確認したのは、影響を受けた機器のうち少なくとも一台が改ざんされていたという事実だ。動作の仕組みは、報道ごとに違う。
✦ 改ざん方法の説明の比較
誰が何を言ったか
ある報道は、インプラントが機器を最初にセットアップするとき、画面に表示される復元フレーズを読み取っていくと伝えた。復元フレーズが目に見える、たった一瞬を狙ったものだという説明だ。
Ledgerが公式に確認したのは、インプラントがあったというところまでだ。
フィッシングも、二つ目の可能性として挙げられた。機器が購入者に届く前に損なわれたか、ユーザーをだまして機密情報を聞き出したという二つの推測だ。
リセラーの所有権が今年3月に変わったという事実も知られた。元の創業チームはもう会社に属していないと明らかにして、買収には秘密保持契約がついていて、以前の所有者が所有権の変更を公に知らせられなかったという。
ただ、調査官たちは、所有権の変更と機器の改ざんの間の直接のつながりを示す証拠を見つけられなかった。
前にもあったこと
販売店を通じて改ざんされたウォレットが売られた事例は、初めてではない。2022年3月にオンラインの分類広告サイトで売られた偽のTrezor Model Tを、カスペルスキーが分析して、2023年5月に公開した。
マイクロコントローラーとソフトウェアが改ざんされて、初期設定のときに攻撃者があらかじめ知っていた復元フレーズが使われるように操作された機器だった。見た目と画面は、正規品と同じだった。
2026年1月には、Ledgerの決済業者のGlobal-eから、顧客の名前、メール、電話番号、住所、注文情報が流出したこともあった。
このときは、機器ではなく顧客情報が漏れて、生年月日やクレジットカード情報、24個の復元ワードは流出しなかった。
すでにLedgerを持っているなら
✦ 自分のLedgerを確認する
三つだけ見ればいい
自分の機器がこれに当てはまるかは、どこで買ったかから見ればいい。注文履歴や領収書に、CryptoBilisがあるか確認してみて。Ledgerが最初に予防措置を勧告したのは、直近90日以内にCryptoBilisで買ったユーザーだ。
最初に受け取ったとき、復元フレーズやPINがすでに書かれていたなら、その機器は使わないでというのが、Ledgerの公式の案内だ。Ledgerは、製品と一緒にPINや復元フレーズを渡さないし、求めることもない。
Ledger Wallet(以前の名前はLedger Live)の真贋確認にも限界がある。Ledgerの公式アカデミーは、元のセキュアエレメントが無傷で残っていれば、スパイインプラントのような物理的な改ざんは、この確認では見つけられないと書いている。
真贋確認を通過したからといって、改ざんがないという意味ではない。
すでにCryptoBilisで買った機器をセットアップして使っているなら、Ledgerの案内は、新しいシードでつくった新しいLedgerの署名機に資産を移すことだ。
既存の復元フレーズをそのまま使うのではなく、新しい機器をセットアップするときにできる、新しい秘密鍵と新しい24単語の復元フレーズを使わなければならない。
ウォレットはどこで買うべきか
✦ 正常と危険信号
Ledgerが案内した基準
Ledgerの案内は単純だ。本物の機器は、復元フレーズがすでに書かれた状態では届かない。あらかじめシードがつくられた機器や偽造品、開封された梱包が、アマゾンのような場所で見つかることもあるので、Ledgerの公式ストアか公認リセラーで買うよう案内している。
今回の事件が目につくのは、CryptoBilisが公認リセラーの一覧に載っていた業者だという点だ。信頼できる業者で買った機器でも、問題が起きたわけだ。Ledgerが直接売った機器の被害報告はまだないけれど、不安なのは確かだ。
✦ ビットコインの終値の流れ
CoinGecko UTC基準
ビットコインの相場はどうだったか。CoinGeckoのUTC基準で、10月8日の終値が8万1686ドル、事件が知られた10月9日が8万2564ドル、10月10日が8万2918ドルだ。
ハードウェアウォレット業者一つの流通事故が、価格に目立つ衝撃を与えることはなかった。幸いだ。
これは投資助言じゃないよ。わかってるよね?大切なお金は自分で守ろう。
今回はここまでにするよ。また会おう。
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🌐 英語版: Ledger Hack: 80 BTC Vanished From a Reseller-Bought Wallet
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