レディット(RDDT)株価が1日で29%暴落!何が起きたのか?

レディットの株価暴落を描いたイラスト

レディットの暴落

✦ 業績発表の翌日、1日で暴落したレディット株価

米国東部時間の通常取引の終値(ドル)、2026年10月8日〜10月30日。線は目盛りから読み取った概算

$91.73$125.82$159.9210/29→10/30 -29.22%10/0810/2010/30
10月30日の終値は91.73ドル、場中の安値は89.28ドルで、52週の最安値を更新した。

レディット(Reddit、NYSE: RDDT)が、2026年10月29日の米国通常取引の終了後に、第3四半期の業績を発表した。その後、10月30日には91.73ドルまで暴落した。前日より29.22%下がった価格だ。

場中には89.28ドルまで押されて52週の最安値を更新し、出来高は約3,350万株に急増した。業績発表の直後、時間外取引で約18%下がったのに続き、翌日の通常取引でも売り物が殺到した。株式公開以降で最大の一日の下げ幅だった。

レディットの第3四半期の成績表だけを見ると、この暴落はよく理解できない。売上は53%、純利益は74%増え、広告売上も54%成長したから。

でも、投資家が注目したのは、先の四半期の業績よりも、グーグル検索からレディットに入ってくる訪問者が急激に減っているという警告だった。

〈好決算発表の翌日にレディット株が急落した直後の市場の反応と背景解説(米Schwab Network報道)。〉
* YouTubeチャンネル『Schwab Network』にあがっている動画だよ。

業績は記録的なのに、米国のユーザーは減った

✦ レディット 第3四半期の業績まとめ

前年同期比

✔ 売上:8億9,500万ドル(+53%)
✔ 調整後EBITDA:4億200万ドル(+70%)
✔ 純利益:2億8,300万ドル(+74%)

レディットの第3四半期の売上は8億9,500万ドル、純利益は2億8,300万ドルだった。希薄化後EPSは1.40ドル、調整後EBITDAは4億200万ドルで、売上の約45%を占めた。

広告売上は8億4,700万ドルで54%増え、売上総利益率も91.5%に達した。売上とEPSの両方が市場予想を上回った業績だ。

✦ レディット 第3四半期のユーザー指標

前年同期比

1億3,030万人グローバルDAUq
+12%
5,070万人米国DAUq
-2%
7,960万人海外DAUq
+24%
5億1,520万人グローバルWAUq
+16%

でも、ユーザー数を見ると、少し話が変わってくる。グローバルの日次アクティブユニークユーザー(DAUq)は1億3,030万人で、前年同期より12%増えたけれど、第2四半期と同じ水準だった。

米国のDAUqは5,070万人で2%減り、海外のユーザーは7,960万人で24%増えた。全体の成長を海外市場が支えているあいだに、米国のユーザーはむしろ減ったわけだ。

たかが2%減ったくらいで、そんなに大騒ぎするのかと思うかもしれない。でも、レディットが上場した2024年以降、米国のDAUqが前年同期比で減ったのは、今回が初めてだった。

ログインしているかどうかで、差はもっとはっきりする。米国のログインDAUqは1%増えたけれど、ログアウトDAUqは4%減った。検索流入の減少が最も大きく表れたのがログアウト・ウェブのユーザーだという点で、大事な変化だ。

広告単価と露出がよくなって売上は大きく増えたけれど、これから新規ユーザーを引き込み続けられるのかについて、投資家に確信を与えられていないんだ。

グーグルのAI検索がレディットの流入経路を揺さぶる

スティーブ・ハフマンCEOは、10月の1か月のあいだ、検索エンジンからレディットに来る訪問が、毎週平均100万件以上減ったと明らかにした。検索流入の減少は第3四半期の後半から速まり、第4四半期の初めにも続いた。

✦ グーグルのAI検索がレディットへの訪問を減らす構造

検索で答えを得れば、元の投稿のリンクまで行く理由が減る

1検索窓に質問を入力
知りたいことを検索窓に入力
2AIの要約・回答が先に表示
グーグルが結果の一番上にAIの回答を表示
3レディットのリンクのクリックが減少
その場で答えを得れば、リンクを押す理由が減る
4レディットへの訪問が減少
検索流入が減り、ユーザー層まで侵食される

ハフマンが指摘した問題は、グーグルのAI OverviewsとAI Modeだ。以前は、検索窓に質問を入力してから、レディットの投稿を押して、実際のユーザーの体験談を読んだとすれば、いまはグーグルが検索結果の一番上で、AIの要約と回答を先に見せるよね。

ユーザーがその場で答えを得れば、レディットのリンクを押す理由が減る構造だ。ハフマンは、グーグルがレディットをクロールし続けていて、検索需要もあいかわらずあるのに、AI検索が実際の訪問につながっていないと指摘した。

海外では、機械翻訳で品質が落ちたレディットのページの検索露出が弱まった点も、影響したと説明した。

彼が示した見通しは、もっと重い。いまのような検索流入の減少が続けば、第4四半期のDAUqが現在の約1億3,000万人から、減り続けるおそれがあるということだ。

検索流入の減少が、一時的なトラフィックの変動ではなく、ユーザー層そのものを侵食しうるという警告だった。

〈グーグルAI検索のトラフィックへの影響を語るレディットCEOハフマンのCNBCインタビューです。〉
* YouTubeチャンネル『CNBC Television』にあがっている動画だよ。

グーグルと競争しながらグーグルにデータを売るレディット

✦ グーグルとの二重の関係

検索では競争相手、データ事業では顧客

検索では競争相手
• AI検索がレディットに向かうクリックを減らす
データ事業では顧客
• Gemini・オープンAIに投稿データを売る

レディットの広告売上は、売上全体の約95%を占める。第3四半期の広告売上が54%増えたのは、広告単価と露出がともに増えたおかげだ。

グローバルのARPU(ユーザーあたり平均売上)も6.87ドルと36%跳ね上がり、米国のARPUは13.82ドルで53%増えた。同じ数のユーザーを相手に、広告をもっとうまく売っているという意味だね。

もうひとつ大事な事業が、コンテンツライセンスだ。レディットは、グーグルのGeminiとオープンAIに、投稿データを提供する契約を結んでいる。

検索では、グーグルのAIがレディットに向かうクリックを減らす競争相手だけれど、同時にレディットのデータを買い入れる顧客でもある。

第3四半期のその他売上は4,800万ドルで35%増えたけれど、ここにはコンテンツライセンスが含まれる。

グーグルとオープンAIの既存の契約は、いまの期間が終わりに近づいている段階だ。決算発表の質疑応答で、ハフマンは「グーグル・オープンAIと交渉を進めていて、レディットにとって経済的にも戦略的にも公正な条件でなければならない」と述べた。

条件が合わなければ、新しい契約を結ばない可能性も残した。レディットとしては、検索流入を取り戻すことだけでなく、AI企業にデータを提供して得る収益を、有利な条件で続けることも大事だ。

レディットの戦略変化

レディットは、第4四半期中に、米国以外の一部の市場で、ほとんどのコンテンツを見るにはログインするようにする実験を行う計画だ。ログインユーザーとアプリユーザーは、レディットの収益化の80%以上を占め、第3四半期にも、彼らの利用規模は直前の四半期より増えた。

レディットは、検索結果から一度訪れて去る人より、自分でアプリを開いて毎日戻ってくる人を、もっと多く確保する方向へ、重心を移そうとしているんだ。

問題は、検索で初めて入ってきたユーザーにとって、ログインが壁になりうるという点だ。当然だろうね。たとえば、メタ系のSNS(フェイスブック、インスタグラム、スレッズなど)は、投稿を少し見ていると、ログインを強要してくる。

だから私は、検索中にメタ系のSNSに入って、ログインを強要されたら、そのまま出ていってしまう。そういう人はものすごく多いはずで、これからレディットも、こういう問題を受け入れなきゃいけない。

レディットが検索の訪問者をログインユーザーに変えられるなら、広告の精度と再訪率を高められるけれど、初回訪問の段階で離脱が増えれば、新規ユーザーの確保はもっと難しくなる。

この実験は、レディットが検索への依存度を下げて、自社プラットフォームのロイヤルティを育てられるのかを示す、大事な試金石になるだろう。

✦ 余談

作者のひとこと

ログイン
• でも、レディットはグーグルアカウントの連携で簡単に登録できるから、ログインを強要されても、反感はあまりなさそうだよ。私はメタ系SNSの面倒な登録と変なログインの仕組みに、さんざん懲りていて…グーグルアカウントでのログインを用意しているサイトが、本当にありがたい。

第4四半期の売上見通しも、株価の負担になった。会社が示した売上の範囲は10億〜10億3,000万ドルで、中間値は10億1,500万ドルだ。市場予想の約10億4,600万ドルより3%低い。

第3四半期の売上は予想よりよかったけれど、第4四半期にはユーザー流入の鈍化が売上の成長まで妨げうるという心配が、大きくなったんだ。

ウォール街の目標株価引き下げ

✦ レディットの目標株価引き下げ

2026年10月30日

✔ バンク・オブ・アメリカ(中立):$190 → $135
✔ ゴールドマン・サックス(中立):$215 → $140
✔ JPモルガン(中立):$185 → $150
✔ ウェルズ・ファーゴ(イコールウェイト):$142 → $110
✔ ニーダム(買い):$300 → $150
✔ シティ(買い):$245 → $186
✔ B.ライリー(買い):$270 → $190
✔ カンター・フィッツジェラルド(中立):$170 → $120

業績発表の翌日、複数の証券会社がレディットの目標株価を下げた。

StockAnalysisがS&P Globalの資料を集計した基準では、34人の平均目標株価が194.08ドル、中央値は185ドルだった。最低は110ドル、最高は300ドルで、総合意見は買いだった。

株価が暴落した当日に、目標株価を大幅に下げた機関が出たものの(この人たちはいつもこうなんだよね…)、一部の機関は買いの意見を維持した。

検索トラフィックの構造的な変化が、レディットの長期成長にどれだけ大きな影響を与えるかをめぐって、ウォール街の評価も割れているんだ。

レディットは、広告単価を高めて、既存のユーザーからより多くの売上を生み出すことに成功した。でも、ユーザーがレディットを見つける通路をグーグル検索に頼る限り、AI検索との戦いは不利にならざるをえない。

グーグルはAI検索を強化しているのに、グーグル検索に頼っているなら…答えが出ないよね? レディットは、果たして答えを見つけられるだろうか?

これは投資助言じゃないよ。わかってるよね?大切なお金は自分で守ろう。

今回はここまでにするよ。また会おう。

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