セイラーはなぜ強気相場を叫んだのか
Strategy(ストラテジー)会長のマイケル・セイラーが、「ビットコインの次の強気相場が始まった」と宣言した。
10月19日のSchwab Network(シュワブ・ネットワーク)のインタビューで、彼はビットコインが200週移動平均線の付近で反発したと述べ、今後12か月以内に10万ドルを超えると見通した。10月28日のビットコインの終値は、81,296ドル前後だった。
セイラーの予想どおり10万ドルに到達するには、いまより約23%上がらなきゃいけない。彼は何を根拠に、こう言ったのだろう?
✦ セイラーが挙げた強気相場の根拠3つ
テクニカルシグナルから需給のロジックまで
第一に、セイラーが強調したテクニカルシグナルは、200週移動平均線だ。長期の価格の流れを示すこの線でビットコインが反発し、その後約2万ドル上昇したということだね。
第二に、ビットコイン関連の信用市場の拡大だ。銀行のビットコイン担保ローンが広がり、ビットコインの保有者が保有分を売らずに融資を受けられるようになれば、ビットコインの活用価値が高まるという話だよ。
個人投資家だけでなく機関投資家にとっても、ビットコインを担保に資金調達ができるなら、ビットコイン投資にともなう負担が減るだろうから。
✦ 知っておこう
STRCって何?
第三に、デジタルクレジットやトークン化証券など、新しい形の金融商品がビットコインの需要を呼び起こすという話だ。Strategyは、STRCのような優先株を発行して投資家から資金を調達し、ビットコインを買い入れる。
セイラーは、こうした方式を「デジタルクレジット」と呼んでいる。ビットコインをただ保有するだけでなく、自分たちが保有するビットコインを土台に、金融商品を作っていくということだ。彼が示した需給のロジックは、こうだよ。
ビットコインのマイナーが毎月新しく供給する量が約10億ドル規模なら、Strategyのような企業がデジタルクレジットで資金を調達して、その供給を吸収できるということだ。
ストラテジーはビットコインをどれだけ持っているのか?
Strategyは、株式の発行などさまざまな方法で資金を調達し、その資金でビットコインを買ってきた。
10月12〜18日にも、普通株の売却による純収益2,200万ドルと手元の現金10万ドルを使って、ビットコイン267枚を約2,210万ドルで買った。
✦ Strategyのビットコイン保有状況
10月25日時点
その結果、10月25日時点で、Strategyはビットコインを848,517枚保有している。
ビットコインの最大総量である21,000,000 BTCのうち、現在までに約20,104,607 BTCが発行されているので、発行量ベースでStrategyの持ち分は4.22%の水準だ。まさにビットコインの大株主と言っていい。
総取得原価は約640億2,000万ドル、平均取得単価は75,446ドルだ。10月28日の終値81,296.5ドルを当てはめると、保有分の評価額は約689億8,000万ドルで、取得原価より約49億6,000万ドル高い。
もしあなたのビットコインの平均取得単価が75,446ドル未満なら、セイラーおじさんより安く買ったってことだね。えへへ♡
✦ 同じ期間、MSTRはビットコインより大きく揺れた
10/08=100の相対指数。線は目盛りから読み取った概算
この数字は、ビットコインの価格が動くとき、Strategyの資産価値がどれだけ敏感に反応するかを示している。
同じ数量を持ち続けるという前提で、ビットコインが10万ドルに到達すると、Strategyの保有分の評価額は約848億5,000万ドルになる。現在の価値より約158億7,000万ドル増えるということだ。
だから、2025年にあったビットコインの強気相場のときは、Strategyの株をまるで「ビットコインのレバレッジ商品」のように扱って取引する人も多かった。
ビットコインの価格が上がるとStrategyの株はもっと大きく上がり、下がるときはその逆という状況が、よく見られたから。
四半期業績も、ビットコインの価格に大きく揺れる。Strategyは10月5日の開示で、第3四半期のデジタル資産の利益を209億1,000万ドル、関連する繰延法人税費用を18億8,000万ドルと見積もった。
ビットコインの評価額しだいで、会計上の利益が大きく変動する構造だ。
MSCI指数からの除外審査、11月11日に輪郭が出る
MSTRのもうひとつの変数は、MSCI指数からの除外の可能性だ。MSCIは10月15日、事業の実体が乏しい企業をグローバル投資可能指数から外せる新しい基準を確定したから。
まず実質的な事業資産を備えているかを確認し、基準を通過できなかった企業は、5つの財務比率で追加審査を受ける。5項目のうち4つ以上で不適格の判定を受けると、指数の採用資格を失うことがある。
ただし、すでに採用されている銘柄は、直近2回の年次開示期間にどちらも基準を満たせなかった場合にだけ除外されるよう、緩衝規定が置かれている。
✦ MSCI審査のスケジュール
新基準の確定から変更の適用まで
MSCIが潜在的影響銘柄のリストを公開する日は11月11日で、変更は11月30日の取引終了時点で適用される予定だ。MSTRがリストに入るかどうかを確認する最初の分岐点が、11月11日ということだね。
実際に除外されると、MSCI指数に連動するパッシブファンドが保有比率を調整しながら、売り物が出ることがある。
Strategyは、MSCI連動ファンドが自社の普通株の約3.1%、約1,300万株を保有していて、1日の平均出来高より少ないと反論していたけれど、MSCI指数から除外されるのは、単に売り物が出るかどうかの問題だけでなく、市場全体の評価や信用にも影響しうる案件だよ。
ウォール街が示すMSTRの適正株価は?
10月28日のMSTRの終値は145.16ドルだった。まず、S&P Globalの資料をもとに集計したアナリストの意見は、Monnessがホールド、残りは買いまたはアウトパフォームだ。目標株価のあいだの開きは相当に大きい。
Monnessは100ドルを示してホールドの意見を出し、StoneXは435ドルを示した。
✦ MSTRの現在株価と機関別の目標株価
10月28日の終値基準
セイラーの予想どおりビットコインが10万ドルに到達すると、Strategyの保有ビットコインの評価額は、現在より約158億7,000万ドル大きくなる。まさにこの資産価値の増加が、MSTR強気論の核心だ。
もちろん、MSTRは暗号資産ではなく会社なので、ビットコインの価格以外にも、mNAVプレミアム、株式発行による希薄化、優先株の配当と負債の利子、MSCIから外れるかどうかなど、さまざまな要素に影響を受ける。
だから、すぐ注目すべき日程は2つだ。Strategyは米国現地時間の10月29日の取引終了後に第3四半期の業績を発表する予定で、MSCIは11月11日に潜在的影響銘柄のリストを公開する。みんなでこの部分をしっかり見守ろう。
これは投資助言じゃないよ。わかってるよね?大切なお金は自分で守ろう。
今回はここまでにするよ。また会おう。
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