130ドル時代のクジラが411BTC(3,300万ドル)を動かした…売る?

130ドル時代のクジラが411BTCを動かした構図を描いたイラスト

13年以上、出金記録がなかったビットコインのアドレスが、突然動いた。2026年10月18日、このアドレスは、ビットコイン411.45BTCを新しいアドレスに送った。取引当時の相場で計算した価値は約3,340万ドル、韓国ウォン基準では数百億ウォン規模だ。

このアドレスにビットコインが入ってきた2013年9月には、BTC1枚が約130ドルだった。

ついにこのクジラが、とてつもない投資収益金を現金化しようとしているのだろうか? コイン投資家たちはやきもきした。でも、現在まで確認された取引記録だけを見ると、まだそう言える根拠はない。

コインは新しいアドレスに移されて、取引所に入った痕跡はまだ確認されていないから。

ただ、今回の取引には、興味深い法的な背景も少し絡んでいる。

13年前に約5万ドルだったビットコインが3,300万ドルになるまで

✦ クジラウォレットの核心の数字

411.45BTCが動いた

✔ 411.45BTC:2026年10月18日に新しいアドレスへ移動
✔ 約3,340万ドル:移動時点の相場で計算した価値
✔ 2013年9月11日:このアドレスにビットコインが入った日、当時BTCは約130〜131ドル

問題のビットコインアドレスは、13Coop8xFbYj9JR9WyF5EqzGa9GiZmxs7Cだ。

オンチェーンの資料によると、このアドレスは、2013年9月11日に411BTCと0.45BTCを別々の取引で受け取って、2026年10月18日まで、一度も外部へコインを送ったことがなかった。

少額の入金記録はほかにもあったけれど、重要なのは、13年間、保有量を減らす出金がなかったという点だ。

当時のビットコイン価格を1枚130〜131ドルとすると、411.45BTCの市場価値は約5万3,000〜5万4,000ドルだった。

これが10月18日の取引時点では、約3,340万ドルと評価されたので、単純な比較だけでも、評価額が600倍以上に膨らんだわけだ。Galaxy Researchは、このアドレスの平均取得単価を、おおよそ127ドルと推定した。

コインを動かしたことと売ったことは別だ

ビットコインのブロックチェーンで確認できるのは、取引の入力と出力、数量、手数料、記録時刻だ。誰が実際に鍵を持っているのか、なぜ動かしたのか、法定通貨に替えたのかは、アドレスだけを見てもわからない。

✦ 確認されたことと、確認されていないこと

今回の取引で

確認されたこと
• 411.45BTCが新しいアドレス1か所に移動
• 移動後、受信アドレスから出た記録なし
確認されていないこと
• 取引所への入金
• 売却・現金化
• 保有者が動かした理由

今回の取引では、411.45BTCが新しいアドレス1か所に移動した。10月19日には、受信アドレスから再びコインが出た記録がなく、行き先が取引所だという確認もなかった。

取引所への入金が確認されたら、売却の可能性をもっと真剣に見られるけれど、新しいアドレスに移したというだけでは、現金化したと判断できない。長期保有者がウォレットを替えたり、保管方式を整理したりした可能性も残っている。

✦ 売却を疑うときに見る順番

最初の段階だけではわからない

1古いアドレスからコインが出たか
2どこへ行ったか
3取引所・OTC仲介業者に移動したか
4後続の取引と市場の取引量の比較

売却を疑うときは、順番を見なければならない。まず、古いアドレスからコインが出たか、次に、どこへ行ったか、その次に、取引所や店頭取引(OTC)の仲介業者に移動したかを調べるのだ。

最後に、後続の取引と市場の取引量を比べてはじめて、実際の売り圧力を推し量れる。最初の段階だけ確認された状況で、「クジラが投げた」と考えるのは、オンチェーンデータが語ってくれる範囲を超えているのだ。

今月動いたのは、このウォレットひとつではない

10月に入って、長く眠っていたビットコインウォレットの動きが、相次いで報じられた。10月12日には、2020年3月から約6年間保有されていた4,581.94BTCが、五つのアドレスに移動した。

ドルに換算してみると約3億7,760万ドルで、受け取ったアドレスは、報道時点まで追加の支出がなかった。10月7日には、2010年のマイニング報酬で生まれた100.02BTCが、16年ぶりに動いたけれど、当時の基準で約830万ドルだった。

莫大な金額が動いたわけだ。

✦ 今月の休眠ウォレットの移動

それぞれ別のアドレス、同じ所有者だという根拠はない

12026年10月7日
100.02BTC(2010年のマイニング)、約830万ドル、新しいアドレス2か所に分割、報道時点では未使用
22026年10月12日
4,581.94BTC(2020年3月に流入)、約3億7,760万ドル、新しいアドレス5か所に移動、報道時点では未使用
32026年10月18日
411.45BTC(2013年に流入)、約3,340万ドル、新しいアドレス1か所に移動、報道時点で後続の出金なし

古いコインが相次いで移動するので、投資家たちが「眠っていた供給が目覚めるのではないか」と恐れるのは当然だ。長期保有コインが取引所に入れば、ものすごい潜在的な売り物になりうるから。

〈長期間休眠していたビットコインの移動を報じた米CoinDeskのニュース映像です。〉
* YouTubeチャンネル『CoinDesk』にあがっている動画だよ。

このウォレットは、「放棄されたビットコイン」訴訟にも登場する

✦ 「Noah Doe」訴訟

Galaxy Researchの分析基準

✔ 39,069個:訴訟が所有権を主張する休眠アドレス
✔ 約380万BTC:訴訟の対象コイン
✔ Noah Doe #970:Galaxyの分類でのこのアドレスの表示

興味深い点は、Galaxy Researchが、このアドレスを、ニューヨークで進行中の「Noah Doe」ビットコイン所有権訴訟の対象アドレスのひとつと見たことだ。

訴訟の原告側は、休眠状態のビットコインアドレス39,069個、約380万BTCを「放棄された財産」と見て、所有権を認めてほしいと主張する。このアドレスは、Galaxyの分類でNoah Doe #970と表示されている。

原告側は、そのアドレスを自分たちが見つけたという理由で所有権を主張するけれど、そのアドレスの秘密鍵を持っているわけではない。ところが、今回、このアドレスの中のひとつで、大規模な移動が起きたのだ。

休眠状態のアドレスだからといって、「誰も支配していない放棄された資産」として扱うのが難しくなったわけだ。

今回の移動が訴訟のために起きたのかは、不確かだ。それでも、数十億ドル規模の休眠コインの所有権を争う事件で、訴訟対象のアドレスが実際に動いたということは、人々の関心を引いた。

ビットコイン投資家は、クジラウォレットの動きが怖い

✦ ビットコイン(BTC-USD)の終値の流れ

10月5日〜10月19日、Yahoo Financeの日次終値(ドル)。線は目盛りから読み取った概算

$81,384$83,586$85,787100BTC4,582BTC411BTC10/510/1210/19
10月5日の85,786.59ドルから10月19日の81,853.54ドルまで、約4.58%低くなった。

最近、ビットコインの相場がどうも力が出ていないけれど、最近の10年〜20年で見れば、ビットコインは本当にとんでもない上昇をしてきたのは事実だ。だから、ビットコインに投資する立場では、クジラウォレットの動きが、本当に怖くなるしかない。

私が1BTCあたり数万ドルを払ってビットコインを買ったあと、震えながら相場が上がるのを願っているのに、10年〜20年前に1BTCを130ドルで大量に買った人が、もう持っていたくないと、突然ごっそり売ってしまったら?

本当にひどいことだ。

これからも、クジラウォレットの動きがあるたびに、コイン投資家たちは神経をとがらせることになるだろう。一緒にクジラウォレットの動きをしっかり見守ろう。(それにしても、あの人たち、本当にうらやましいな…)

これは投資助言じゃないよ。わかってるよね?大切なお金は自分で守ろう。

今回はここまでにするよ。また会おう。

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